審査請求

公開請求したが、全部公開されなかった場合、請求に一部または全部応じないという処分がされたことになります。

もし、この処分に不服があれば、全部公開を求めて「審査請求」という救済手続があります。

審査請求があると、審査実施機関(県知事、教育員会、公安委員会等)は、裁決をする前に、県の情報公開審査会(第三者機関)に「諮問」をし、答申を受け、これを尊重して、裁決をしなければなりません。

 

そして、諮問実施機関が、審査会に、諮問する際には、諮問書に「必要的添付書類」を添えて、提出しなければなりません。

処分庁は、なぜ、そのような処分をしたのかについて、該当条文のみならず、客観的事実に基づき、この点が当該条文に該当するため、処分をしたとする処分理由を記載した書類(弁明書)を「必要的添付書類」に、添付すべきところ、弁明書を添付しないケース等もありました。

 

そのため、審査請求人は、なぜそのような処分を受けたのか、正確な理由が分からないため、実効的な反論ができないことがありました。

 

法改正により、客観的事実に基づき、この点が当該条文に該当するため、処分をしたとする処分理由を記載した「弁明書」を諮問書に添付することを義務付けたのです。

 

また、審査会は、弁明書も含めた必要的添付書類が添付された諮問書を受け取った場合には、「形式的諮問要件」が揃ったということで、初めて、諮問受理がされます。

 

そして、審査会が審議する上で必要と認めるときは、インカメラ審理、ボーン・インデックス、必要な調査をすることができるという調査権限が与えられています。

 

しかし、法は、インカメラ審理は、諮問実施機関に拒否を認めていませんが、ボーン・インデックス、必要な調査は、諮問実施機関がこれに応じなくても違法ではないため、実効性が伴っていません。

 

ところが、島根県情報公開審査会は、ボーン・インデックス、必要な調査についても義務規定としているのです。

 

つまり、審査会が審議する上で必要と認めるときは、インカメラ審理、ボーン・インデックス、必要な調査をすることができるという調査権限を行使すれば、実施機関はこれを無視できないことになりました。

 

多分、全国初ではないでしょうか。